今年のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン(LFJ)で最大の目玉として紹介されていたのが
この
コルボ指揮のフォーレのレクイエム。期間中は、毎日1回必ず演奏されていた。
大体がAホールという5000人くらいのキャパのところで演奏されるのだが、この日は唯一
Cホールというキャパ1500人くらいのホールで演奏されるため、前から楽しみにしていた。
●曲目 フォーレ : レクイエム 作品48(フランス)
●演奏者
アナ・キンタンシュ(ソプラノ)
ピーター・ハーヴィー(バリトン)
ローザンヌ声楽アンサンブル
シンフォニア・ヴァルソヴィア
ミシェル・コルボ(指揮)
冒頭、オルガンの哀しげな旋律にのった合唱から惹きこまれる。
人の声、しかも合唱というのは、、、何だろう、ちょっと言葉がみつからない。
ミュージカルなんかでも、大勢での合唱シーンに背筋がゾクッとすることがよくあるが、
今回はこの神聖さにひときわ感動して、泣けてきてしまった。
あたたかいオルガンの音、響き渡る低弦の音(オルガンの低音のように聞こえる)、目を
閉じるとまるで教会にいるようで、先日亡くなられた友人のお父さんのことも少し思い出
したりしたのだった。
この後、ソプラノの独唱、バリトンの独唱があったが、どちらも素晴らしかった。
ソプラノの声は、天上からキラキラと降ってくるような気がしたし、バリトンも高めの
メロディーをとても優しく歌う。途中金管なども結構入っており、最後の"天国へ"には
ハープの音が。「ああ、確かに天国だなぁ、、、」とまた目を閉じて浸ってしまった。
このフォーレのレクイエムは、他のレクイエムに比べて明るい印象がある。
はじまりの"入祭唱とキリエ"こそ暗く重厚な感じだったが、その荘厳な雰囲気を保った
まま、最終章の"天国へ"へ導いていってくれる。
その天国への道のりはとても幸せに溢れている、という感じなのだ。
最終章が終り、たぶん多くの人がその余韻に浸っていたのだろう。
他者の拍手の音に気付いてみな我にかえり、うわっと拍手の海になった。
オケと合唱団を残し指揮者・ソプラノ・バリトンが舞台を去っては拍手で呼び戻された。
オケの人々もダンダンと足踏みしていたから、感動する出来だったんじゃないかな。
そしてオケが全員舞台袖に引けても拍手はなりやまず(私もその一人)、指揮者の
コルボさんが出てきてまた大拍手!
スタンディングオベーションを久しぶりにしました。
ヤンソンスのコンサート以来です。
ああ、、、素晴らしかったなぁ。。。
今日と同じメンバーでの演奏が聞けるCDは
これのようです。