ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調作品26(ソリスト:サラ・チャン)
マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調
今年どうしても聴いておきたかったコンサートの一つです。
昨年ヤンソンスが指揮する
コンセルトヘボウのコンサートを聴いて大感動してしまったんです。
ヤンソンスは、コンセルトヘボウの他、バイエルン放送響でもメインの指揮者です。
今年はそのバイエルン放送響と共に来日したというわけです。
ドイツオケということで、ブラームス1番を聴いてみたくて、サントリーホールは押さえ
ましたが、せっかくだから他の曲も聴いてみたい、と追加で押さえたのがこの公演。
会場は、昨年と同じミューザ川崎。そして座席も昨年と同じような位置でした。
指揮者の顔がよく見えてオケの一員になったような気分になるんです。
今年もまたその指揮に魅せられてしまったなぁ。。。
前半のブルッフのソリスト、サラ・チャンの演奏もよかった。
ぐっとためて爆発する瞬間はドレスを蹴り上げ、弓を振り上げています。
見ているこちらも力が入ります。またオケも素晴らしい。
第1楽章だったかな、弦がドラマチックな旋律をフォルテッシモ(かなぁ。。)で奏でる
ところは鳥肌が立ちました。そして私も聞いたことのあった有名な第3楽章でフィナーレ。
拍手はやまず、ソリストは何度も舞台に呼び戻されていました。
休憩をはさんで後半のマーラー。
これまで私はマーラーは何となく避けてきたのでほとんど聞いたことはなかったし、実際
聴いてみて、一度で気に入るというような親しみやすい構成ではないと改めて認識。
でもただ、とにかく圧倒されたのでした。
第一楽章は、トランペットのファンファーレで始まる葬送行進曲。
ここから第3楽章までは重厚なトーンで、ヤンソンスの指揮が周囲を別世界にまきこんで
いきます。オケの演奏に魂が宿っているという感じです。
ヤンソンスは団員に対しても「今のいいよ!」って感じでウィンクしてたりするんですよ。
聴いているこちらも尋常じゃなく集中してしまい、コンサート後には頭痛がしたほどでした。
ホルンもとても優しく響いてたな。。。
楽章が終わるごとに、ヤンソンスは滴り落ちる汗をハンカチで拭きます。
(こんな激しい汗は、この曲の時だけでした)
そして第4楽章から最終楽章ではハープをまじえた天上の音にうっとり。
オーボエの音色、やっぱり私好きだなぁ。。
会場も大拍手で、団員が全員退場するまで拍手は続きました。
この日のアンコールは一切ありませんでしたが、その分本演奏に全力を注いだ、そう考え
させるほどの熱演でした。
マーラーのCD、聞かなくっちゃ!