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2/23 フキコシ・ソロ・アクト・ライブ〜タイトル未定〜2008.03.09 Sunday
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吹越満。不思議な存在感を放つ異端者。
たぶん誰もが一度はテレビなどで見かけたことがあるだろうと思う。
俳優としても様々な役柄で出ているし。
この人がライフワークのようにやっているのが「フキコシ・ソロ・アクト・ライブ」
一人芝居・・・の要素もあるけど、コント・・・って感じともまた違う。
言葉に表しにくい「妙な」空間。じわじわと妙な笑いに毒されていくあの快感を味わいに
今年もまた行ってしまった。
この人の頭の中はいったいどうなってるんだ?と思わせる内容なんですよねぇ。
これは友人を誘うにしても、よく相手を選ばないといけません。
シュールだし、下ネタとびだすし。グロな時もあります。
(昨年のシモキタ・シークレットライブは正直引いてしまう内容もありましたし 苦笑)
しかし一度笑ってしまうと、止まりません。
今回秀逸だったのは「仕草を装飾する品を売る人」。吹越氏の演技がいちいち可笑しい。
あと「不完全なタイトル」シリーズもよかった。
たとえば「永遠の1/2」から1文字抜け落ちて「永の1/2」と変化した瞬間、
「永三輔です」とか。
これはもう、不意をつかれて大爆笑。
ああ、もう今年は東京公演は終わってしまったわ。
また来年見られるかな。早くも来年が待ち遠しいのでした。
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12/18 モーツァルト! at帝国劇場2007.12.23 Sunday
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前回以来、2回目のモーツァルト!
今回見に行ったのはWキャストのもう一人のヴォルフガング、中川晃教。
彼は本職はシンガーソングライターらしいんですが、演出家に見出されて、数年前に
このミュージカルで役者デビューしたのでした。
ちなみに前回の井上芳雄くんは、芸大の声楽科在籍中にデビューして、今に至ります。
二人とも、若き天才ヴォルフガング・モーツァルトを演じるのにピッタリな配役だったんだなぁ。
井上くんも中川くんも味わいは違うけど、どちらもいい。
そしてベテラン陣。特に大司教の山口祐一郎。やっぱりこの人に歌わせたらスゴイわぁ。。。
私がはじめて山口祐一郎さんを見たのはまだ劇団四季に彼が在籍していた頃です。
市村正親さんが抜けた後に、花形になっていたのかな?
友人に連れられて「オペラ座の怪人」を見たんですが、歩き方・姿勢・歌のすべてが
ものすっごくカッコよかったことを覚えています。
しゃべると結構変な人なんだけど(笑)
今回も会場の笑いを誘う「馬車から降りて小休憩」のシーン。
前回より更にパワーアップしてやりすぎってくらい。「さっきも行ったのにっ」とか
何とか台詞入れてもだえてましたぞ。(笑)もうーサービス精神旺盛なんだから。
そして今回もモーツァルト親子の関係に涙しました。市村さん演じる父の気持ちがと
ても切ない。そうそう、ヴォルフガングの姉役の高橋由美子も歌声がほんとに綺麗。
この人が歌う芝居をもっと見てみたいもんです。
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12/13 12月大歌舞伎 夜の部 at歌舞伎座2007.12.17 Monday
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私にとって今年最後の歌舞伎。「ふるあめりかに袖はぬらさじ」有吉佐和子の戯曲。
過去には杉村春子の当たり役で最近は坂東玉三郎が繰り返し主役を演じているらしい。
今回も主役の「お園」は坂東玉三郎。
時代は幕末。世論が開国論と攘夷論に分かれていた頃のお話。
横浜の遊郭で病身の美しい花魁「亀遊」(七之助)は遊郭付の通訳「藤吉」(獅童)に
思いを寄せ、彼もまた亀遊を大切に思っていたのだが、彼にはこの先「アメリカで医学を
学ぶ」という夢があった。
そんな折、遊郭にやってきた異国人イルウス(弥十郎)が亀遊を見初め、身請けの申し出。
多額の借金を抱えていた亀遊を雇っている遊郭の主(勘三郎)は喜ぶが、藤吉との恋が
叶わないことを改めて悟った亀遊は絶望の果てに自害してしまう。
数ヶ月後、亀遊の自害は何者かによって脚色されて世に広まることとなる。
「異国人の身請けを拒み、”ふるあめりかに袖はぬらさじ”と句を残して自害した花魁」
という攘夷論者にとっての格好の美談として。
遊郭には「気概のある花魁」を偲ぼうとたくさんの見物人がやってくる。
話には様々な尾ひれがついて膨らんでいく。
これを見て遊郭の主は、時流にのってしまった方が得だと商魂たくましく商売。
そして二人の恋仲を知っていたお園も、世の中が求める亀遊像にあわせて、あたかも事実
のように語りはじめる。亀遊の死は自分のせいだとの思いに苛まれていた藤吉も「肩の荷
が降りた」といってアメリカに旅立っていく。
数年後、開国は進み、攘夷党が少数派の時世。
彼らの師の命日を亀遊の間で過ごそうと遊郭にやってくる。
が、そこで亀遊の美談が彼らの師によって作りだされたものだと判明。
そのきっかけとなったのは、あの亀遊が残したとされていた句であった。
嘘を語ってきたお園を切らない代わりに、この話が師によって作られたものという事実を
口外しないよう取引をして彼らは帰っていく。
恐怖におののいたお園は、窓の外の雨をみて「ふる雨に袖も何もびしょぬれだ」と
つぶやくのだった。
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この作品に、いわゆる悪人は一人もいなかった、と私は思いました。
お園だって、お節介で口に戸がたてられないタイプの人間なんだけど、本当に亀遊の幸せ
を願っていたしね。藤吉だって随分と苦しんできたはずで。イルウスもただ本当に亀遊に
ほれこんだだけで。
遊郭の主も、あの時世には過激な連中に何をされるかわからなかったから、うまくたちま
わる必要があったのだし。過激な連中もまたしかり、自分たちは国をよくするために一生
懸命だったわけで。
これらを俳優陣が何とも憎めない感じで各役を演じてくれるんですよね。
もうね、お園や遊郭の主なんて、いちいち爆笑させてくれますから(笑)
でも悪意なんてなかったのに、気づいたらそれぞれが少しずつ後味の悪い思いを抱えて
しまう、という不条理。
有吉佐和子さんは、かつてこの戯曲のテーマは「贖罪だ」と語られたそうです。
うーん。。。もしかしたら私も悪意はないけど、知らず何かに加担しているのかも。
そしてそれは万人がおこしうることなんですよ、と有吉さんは言っているんだろうか?
もっと年を重ねた頃に、再度見てみたい、そんなお芝居でした
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11/27夜 ミュージカル「モーツァルト!」 at 帝国劇場2007.12.08 Saturday
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楽しみにしていたミュージカルです。ここで唄われる歌がね、結構いいんですよ。
それを聴きたくて今年も行くことにしたわけです。
ヴォルフガング・モーツァルト(井上芳雄)とその父レオポルド(市村正親)。
天才ともてはやされる子供を育てたという誇りが父にはあるんですよね。
その天才ぶりは大司教(山口祐一郎)の目にもとまるわけですが、自分のお抱え音楽家に
したいという傲慢さに耐えられないヴォルフガングは、大司教に暴言を吐きます。
自分の手に収まろうとしないヴォルフガングに業を煮やす大司教は追放処分に。
ここからは、いろいろとあるわけなんですが、
自分の手を離れていってしまった息子への複雑な思いを抱えるレオポルド。
大司教に「自分の孫をお抱え音楽家に」と薦めるシーンがあるんですが、一蹴されます。
まるで「ヴォルフガングの才能は天性のものでお前が育て上げたわけではないのだ」と
大司教につきつけられているような。
そしてその父はやがて死を迎え、それを聞いたヴォルフガング。
彼もまた父をとても愛していたんですが、それが父にとうとう伝わらなかった。。。
そしてあのラストシーンへとつながっていくんですが。。
今回はとてもこの親子関係に目がいくような作りになっていた気がしました。
何故だろか?自分でもよくわかりませんが。
一方、歌われる歌も本当に素晴らしくてですね、「星から降る金」は泣けちゃったぞー。
そう、これはレオポルドとヴォルフガングに向けて唄われる歌なんです。
歌詞が書いてあるサイトをみっけましたので、こちらからどうぞ。
他にも「奇跡の子」「モーツァルト!モーツァルト!」は合唱のときは鳥肌もんですし、
”自分の影から逃れられるのか?”と問い掛けられる「影を逃れて」もヴォルフを通して
見ている人全てに訴えてくる歌でした。
ああ、やはりいいです!このミュージカル。12月にもう1回、中川ヴォルフガングを
見に行く予定です。
今回は少し市村さんの歌の音程が珍しく狂ったり、hiroさんの歌が聞き取りづらいっ
てのはありましたが、公演を重ねてどう変わるのかも楽しみです。
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10/20 怪談牡丹燈龍 at 歌舞伎座2007.10.21 Sunday
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先日記載しましたとおり、片岡仁左衛門と坂東玉三郎コンビによる芝居を見てきました。
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新三郎(愛之助)を恋い慕うあまりに焦がれ死にしたお露(七之助)と、お露の後を追った、
お露の主従、お米(吉之丞)。この二人が幽霊になって新三郎に会いに行く。
新三郎には二人が生身の人間のように見えているが、新三郎の世話をして生計をたてている
伴蔵(仁左衛門)には二人が幽霊にしか見えない。そのうち新三郎の顔に段々と死相が。
このままではとり殺される、と伴蔵たちが新三郎の部屋に御札を貼ります。
部屋に入れなくなった幽霊の二人は伴蔵のもとへ来て「お札をはがしてもらえませんか〜
(ドロドロ)」と言うではありませんか。
主人をとり殺されるわけにはいかないし、かといって自分に災難が降りかかったら・・と
恐怖におののく伴蔵は、妻のお峰(玉三郎)に洗いざらい相談すると、
「百両用意してくれたらお札をはがします、って言うのはどうか」との助言。
幽霊に百両なんて用意できないだろうという目論見もありましたが、万一用意してきたら、
お札をはがさないといけない。主人を失えば自分たちも路頭に迷う。その時にお金があれば。
との考えからでした。
そして幽霊の二人は百両を用意し、お露は思いを遂げ、新三郎はとり殺されてしまった。
場面かわって1年後、手に入れたお金で順調に商いをしている伴蔵とお峰。
しかし、生活に余裕ができた伴蔵は家をあけることが多くなり、浮気もしていた。
1年前は貧乏なりに幸せだったことを忘れたのか、自分と別れたいなら百両出せと怒りを
あらわにするお峰。更に主人を売ったことまで泣き喚くので、なだめようと詫びる伴蔵。
今後態度を改めるということで仲直りした二人だったが、伴蔵はこの一件でお峰は危険だ
と思い殺すことを決意。そして殺してしまうのだが、、失った瞬間に気づいた。
どれだけ自分にとって大切な人だったかと。そしてお峰を胸に抱いて慟哭するのだった。
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実は、この話には、もう一組の男女の話も盛りこまれていました。
書くと長くなるので割愛しましたが。
これだけ読むと、かなりイヤな話なんですが、伴蔵も、お峰も基本はいい人なんです。
ただちょっと魔が差してしまった。そのほころびが自分達の人生に大きく影を落として
しまったんですよね。そう思わせるような演じ方をしていました。
この二人のやりとりは、かなり可笑しくて、歌舞伎座にも笑い声が渦巻いてました。
玉三郎さんは今回、お姫様とか綺麗どころの役ではありませんでした。
でもこんな役も、こなしちゃうんだな。
ていうか、とっても可愛い奥さんだったな〜。いじらしくて。
それにしても裕福になったのに闇が生じてしまう。なんか現代とダブります。
この作品は19世紀、噺家・三遊亭円朝の傑作を歌舞伎用にアレンジしたものだそうです。
劇中にも三遊亭円朝(三津五郎)がたびたび登場して、ストーリー説明してましたっけ。
幽霊より人間の方が恐ろしかった。本当によくできているお話です。
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9/7 犬顔家の一族の陰謀 atサンシャイン劇場2007.09.09 Sunday
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劇団☆新感線の久々のおポンチ系舞台に行ってきました。
いやー、実にくだらなくて、ちょっとお下劣で、何も考えずに笑わせていただきました。
あまりここに筋を解説しても意味はないから、トピックだけ記載です。
ストーリーは「犬神家の一族」「柳生一族の陰謀」をベースにパロっているようです。
(私はこの二つとも通して見たことがありません)
更にところどころで有名なミュージカルの曲のパロディも登場。
オープニングは「オペラ座の怪人」の1シーン、と思いきやファントムは犬だった、
というわけでぞろぞろと犬もどきが出てきて何故か「キャッツ」風。
しかし唄い出すと「コーラスライン」の"ONE"で、みんながワンッ!と唄うという。。
考えてはいけません。ネタオンパレード舞台ですから。
観客も心得ているので、役者を見にやってきています。
毎日違うアドリブが飛び交い、役者同士は内心ドキドキなはずです。
たとえば犬顔家の当主(橋本じゅん)が死ぬ間際に、いろいろやらされていましたが、
この日のお題は、池田成志さんからは「パバロッティ」古田新太さんからは「板垣退助」
が出され、じゅんさんは悩んだ挙句に"オーソレミオ〜♪"と歌ったり、後者に至っては
あごひげをさするのみで、すぐに死んだふり。
後で別の役で出てきたときに「"板垣死すとも自由は死せず"だったー」と悔しそうに
叫んでいてこれまた大爆笑な。
そういえば何のシーンだったか、じゅんさんが古田さんに「怖かったんだ、俺はお前が」
というシーンがありまして、「体や態度もでかくなってきて」「野田や蜷川となあなあに
なってきて」「大阪芸大時代から怖かった」のだそうで(笑)
古田さんも成志さんに「お前は年々中途半端になっている」の後「西荻に引っ越してから
特に顕著だ」って言っていたような、はは。
こういったアドリブ(?)の後で、後ろ向いて笑いをこらえている宮藤官九郎さんの姿も
可笑しいのです。
あっ、そういえばこの日、逆木さんが招き猫かぶったまま舞台から落ちました!
まっすぐ歩いてきてそのまま落ちるからビックリしちゃった。
演出かと思ったけど、違ったみたいで、その後ずっといじられてました(笑)
まあいじられるのも元気な証拠ってことで。
役者の皆さんも、この舞台は良い意味で気分がリセットされるんじゃないかな。
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8/28 八月納涼歌舞伎(第二部) at歌舞伎座2007.08.30 Thursday
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先日の1部に続いて行ってまいりました。納涼歌舞伎。
2部の演目は「ゆうれい貸屋」と「舌切雀」。
もっとも早くチケットが売り切れてしまったのもこの2部でした。
●ゆうれい貸屋
怠け者になってしまった弥六(坂東三津五郎)に立ち直ってほしい、と女房は家を出るが、
弥六に惚れたと幽霊の染次(中村福助)が登場し、新しい女房として一緒に暮らし始める。
家賃を稼ぐために「ゆうれい貸屋」を始め、この商売が大当たり。
(あなたの恨み晴らしますよ、といって客をとり、幽霊を派遣して恨み相手を脅かす商売)
しかし中には完全な逆恨みみたいな依頼もあって、少し考えてしまう弥六。
そこへ派遣幽霊の一人、又蔵(中村勘三郎)が弥六のもとへやってきて、派遣先で全く
怖がられなくて追い払われたと悲しげに語る。そして、
「この世もあの世も金次第、やはり何事も生きてればこそですよ。もう沢山です」と
言い残して去っていく。また他の幽霊も「身内が供養してくれたので」と成仏していく。
弥六の心に又蔵の言葉が残る。
家へ帰ると派遣幽霊で浮気性のお千代(中村七之助)が弥六を口説きにかかる。
染次に「浮気したらとり殺してやる」と言われていた弥六は必死にお千代から逃れるが、
その場面に現れ完全に誤解した染次は弥六をとり殺そうとする。
必死で仏壇の鈴を叩く弥六。そこへ周囲の長屋の人々がどうしたどうしたと助けに入り
染次は姿を隠す。
「これから真っ当な人間になって働くから、どうか私と一緒にお経を唱えてください」という
弥六にこたえてみんなでお経をあげる。
(身内にお経を唱えられると成仏してしまうから、お経は止めてと染次は言っていたのです)
とまあ、こんなお話。
話だけだと重そうですが、これが非常にコミカルなのです。
福助さんは少しすれっからしのような女形をやらせると右に出るものはいない、と思って
いる私にはハマリ役でありました。あれ絶対アドリブ入りまくりですよ、きっと(笑)
爺さん婆さん幽霊もなんだか妙におかしいし、勘三郎さん演じる気のいい幽霊、そりゃ
怖くないよなと納得して大笑いしてみたり。お気楽で楽しかったです♪
●舌切雀
有名な童話をベースにして渡辺えりこさんが勘三郎さんのために書き下ろした新作。
ということで、ストーリーはちょっと省略。
大きなつづらを欲しがる強欲ババア(笑)に中村勘三郎。
徹底的に強欲ぶりを発揮。もうこのキャラが炸裂して可笑しいのなんのって!
あとどう考えても普通ありえない存在の蚊ヨを演じる中村扇雀さん、かなりノッていたと
思われ、見ているこっちまでおかしくなった。
途中、雀を演じる中村福助が自ら黒子となり、差し金の先についた雀を動かしながら
腹話術よろしくセリフをしゃべる、とか、小人(坂東三津五郎)の衣装の使い方など、
なかなか演出は斬新だったように思う。
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いやー笑いました。もちろんちょこっと考えさせるところもあるんですけど楽しかった。
そういえば舌切雀でその他大勢として登場した白鳥の中で一人踊る小さい黒鳥の動きが
なかなか綺麗だなーと思っていたら、中村鶴松くんでありました。
彼は梨園出身ではないけれど、勘三郎さんが部屋子にしたのです。
歌舞伎が大好きなんだろうな。ちょっと楽しみな存在。頑張ってほしいな。
さて、この後の歌舞伎は、、、とチェックしていたら、
10月歌舞伎座で、片岡仁左衛門&坂東玉三郎の牡丹燈篭が目に飛び込んできました。
「ふおおっ!孝玉コンビ!」
かつて歌舞伎座でこのコンビが登場すると、あちらこちらからため息がもれました。
綺麗ねぇ。。。って(笑)要チェックです。
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8/11 ロマンス(こまつ座&シス・カンパニー公演) at世田谷パブリックシアター2007.08.11 Saturday
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出演者:井上芳雄、大竹しのぶ、木場勝己、段田安則、生瀬勝久、松たかこ(五十音順)
作:井上ひさし
出演者が全員素晴らしい役者なのでとにかく見たい!と抑えたチケットでした。
ストーリーはチェーホフの生涯を追ったものでした。
チェーホフって正統派文学って感じで、全く作品を読んだことはありませんでした。
でも本人はボードヴィルが大好きで、喜劇として書いた作品が実は多かったそうです。
ただ演出する人が解釈しきれなくて悲劇に演じて大成功し、重厚とか悲劇的とか、そんな
印象がついてしまったようです。それもまた喜劇というか悲劇というか。
このチェーホフを少年・青年・壮年・晩年とわけて、4人の男優が演じていくんですよ。
(井上芳雄→生瀬勝久→段田安則→木場勝己って感じで)
これはちょっと斬新でしたね。状況を理解するのに少し時間がかかりましたが。
一人の俳優が若い頃から年寄りまでやろうとすると、ともすれば無理も見えてきますし。
むしろ、この演出は、自然にも思えたくらいです。
芝居も少し喜劇仕立てになっており、笑ってしまいました。
個人的には木場さん演じる教授が生瀬さん演じるチェーホフに「なるなら皮膚科医だよ」
と薦めた理由に大爆笑しましたが。
結構、ミュージカル仕立てにもなっていました。チャイコフスキーの「ロマンス」に
日本語詞をのせたりして。(芝居のタイトルもここからかな?)
舞台袖にあるピアノの音にのせて出演者の歌声を聞くわけですが、松たかこさんの唄声は
やっぱり素敵だなぁ。あと井上くんはミュージカルが本職ですから、言うに及ばず。
この秋にも「モーツァルト!」が再演されますから見にいかなくっちゃ!
ダブルキャストの中川晃教もいいんですよねぇ。。。
このミュージカルも楽曲がよいので、再演されるとついつい見に行ってしまいます。
お金、、ためとかないと(汗)
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8/11 八月納涼歌舞伎(第一部) at歌舞伎座2007.08.11 Saturday
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第一部の演目は「磯異人館」「越前一乗谷」の二つ。
いずれもこれまで一度しか上演されていませんが、中でも「磯異人館」はとてもよかったです。
ストーリーは、歴史上の事実をおりこんだフィクションです。
時は、生麦事件後に勃発した薩英戦争の後、近代化にむけて歩み出した薩摩藩。
主役である岡野精之介(中村勘太郎)は薩摩切子作りに情熱を傾けている一人の青年。
彼には周三郎(尾上松也)という、少し血の気の多い弟がいます。
この兄弟は生麦事件に直接関わった岡野新助(実際は架空の人物)の息子という設定です。
舞台は薩摩藩の集成館。そこに人質同然に暮らす琉球の王女・瑠璃(中村七之助)。
瑠璃と精之介は互いに好意を持っている間柄で、芝居の前半もその微笑ましい姿が披露
されています。また精之介は、親友・五代才助(市川猿也)の配慮でガラス作りで有名な
ボヘミアやベネツィアへの留学の話も整うという幸運な状況でした。
しかし後半は、瑠璃を見初めたイギリス人ハリソン(片岡亀蔵)が集成館総裁にかけあい、
婚姻の運びとなってしまいます。引き裂かれる精之介と瑠璃。
留学するために乗る船には、輿入れする瑠璃も同乗すると知り、留学を固辞するように
なる精之介。説得に向かう瑠璃。(ここの瑠璃のくどきがとてもいいんですよ・・・)
瑠璃もどれだけ苦しいかを知った精之介は留学行きを決意します。
その直後に起こる兄弟にまつわる悲劇。
なんだかすごく感情移入しちゃったんですよね、この芝居。涙も鼻水も止まらなかった。
実際この幕が終わった後、トイレのあちこちから鼻をかむ音が聞こえてきました(笑)
ラストの精之介は見事だった、と私は思います。勘太郎さんの膝は完治したわけではないと
思いますが、そんなことは微塵も感じさせませんでした。
現世・勘三郎さんが「精之介は、役がつかない時にやらせていただいた俺の出世作なんだ」
と勘太郎さんに語られたそうです。
勘三郎さんも先代が名役者だっただけに、苦労したのでしょうね。
まだ少しチケットに余裕もあるようですので、ご興味ある方はぜひ。
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2007/7/27放送 第34回 俳優祭2007.07.28 Saturday
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飲んで帰ってきてテレビをつけたところ、教育テレビで俳優祭をやっていた。
しまった!俳優祭やってたのか!もう始まってから30分以上過ぎてるよー(泣)
俳優祭とは、2、3年のうちたった1日だけ歌舞伎座にて開催される、歌舞伎俳優による
やりたい放題の(笑)お祭りです。俳優自ら模擬店で商品を販売したりもするし、
普通では考えられないような配役の演目を上演したりします。
普段、立役(男役ね)しかやらない人が女形をやったり、その逆もしかり。
だから、演者も観客も楽しいのです。
10年くらい前になるでしょうか。偶然この俳優祭をテレビで見ました。
その時の演目が「白雪姫」。その魔女役を現世・市川団十郎が演じていたのですが、
これが腹を抱えて笑うほど可笑しくて。この祭に興味を持ったのでした。
今日放送されていたのも「白雪姫」。やはり魔女役は市川団十郎。
登場するだけで笑いを誘っていたので、たぶんねー、一番の人気者だったと思います。
あと、尾上菊五郎の「千手観音」もとい「北千住観音」。
黒子を10人近くひきつれて千手観音のごとく、手を振りかざします。
ところどころで「北千住〜北千住〜次は〜南千住〜」というくっだらないギャグを
はさみながら(笑)
そして王子は松本幸四郎。ときおり汗を拭きます。青いハンカチで(笑)
もうー、ホントにやりたい放題。一度生で観てみたい!
が、チケットは全くとれません。だからこのテレビ放送は貴重なのです。
写真がいっぱいアップされているサイトを発見したのでぜひご覧ください。
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